クレジットカード現金化をすると債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)できなくなるって本当!?

クレジットカード現金化をすると債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)できなくなるって本当?

通常、クレジットカードの現金化を考えるシチュエーションとしては「手元に現金が無い」、「すぐに現金が必要」というシーンですので、基本的にはお金に困っている状態ということになります。

もしそれが一過性のことであって、たまたま資金ショートが生じた場面であれば良いのですが、借金がかさんでいるなどの事情で常態的にお金に困っているのであれば、カード現金化を実行してしまうと後々困ったことになる可能性があります。

借金が苦しくなった時には債務整理を行うことで負担を軽減することができますが、カード現金化をしたために債務整理ができなくなる可能性があるのです。

本章ではクレジットカード現金化の方法でクレジットカードを現金化したことで、債務整理ができなくなる可能性について解説します。

任意整理はシビアな交渉になることも

債務整理法のうち任意整理は、裁判所の関与無しで個別の債権者と自由交渉をベースに和解の道を探っていくものです。

3種類の債務整理法のうち最も利用のハードルが低いので、通常は一番先に検討される手法です。

クレジットカード現金化が任意整理にどのように影響するかは、交渉する相手債権者が誰になるのかがまず関係します。

現金化を行ったカード会社ではなく、他の消費者金融などを相手に任意整理交渉を行う場合は、現金化がすぐさま影響することはないかもしれません。

しかし現金化を行ったカードを発行する業者と任意整理交渉を行う場合はかなり悪い影響がでます。

カードの現金化が規約違反になることは他の記事でもお伝えしていますが、交渉の過程ではそれまでの取引履歴を詳しく精査されることになるので、現金化を隠し通すことは難しくなります。

現金化したことが分かれば相手の態度は相当硬化することは必至です。

和解交渉が難航することは想像に難くなく、下手をすれば和解不可、もしできても分割払いの期間を長くとれない、利息のカット幅が狭まるといったことになる可能性が出てきます。

仮に現金化の事実そのものは頑として認めなかったとしても、怪しい取引があれば相手方が推測するのは避けられません。

現金化されやすい商品の取引が確認できれば、例えこちらで認めなくても推測の元で態度を硬化させる可能性が高いです。

加えて、もし高額商品の取引について一度も支払いがされていないなど、カード業者からみて非常に不快に思うような取引履歴がある場合、債権者側の心証としては最悪です。

この場合、和解に応じないなどの態度に出られる可能性がさらに高まります。

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個人再生は手続きの種類によって影響が変わる

個人再生は裁判所の関与の元で債務額を大きく圧縮したうえで、残りの借金を少しずつ返済していく債務整理法です。

任意整理と違って裁判所によるかなり厳格な運用となるので、利用のハードルはかなり高いものです。

クレジットカード現金化を行った行為自体が個人再生の利用を否定する条件にはなっていないので、裁判所の手続きで門前払いをされるということはありません。

しかし現金化による直接的、間接的な影響で個人再生の利用に影響が出ることもあります。

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の二種類があり、どちらを用いるかによってカード現金化の影響が変わってくるので、次の項からそれぞれを見ていきます。

個人再生のうち小規模個人再生は債権者が反対する可能性

小規模個人再生は、下で述べる給与所得者等再生と比べると返済義務が残る債務が小さくなることが多いので、個人再生利用者の約90%がこちらを最初に検討します。

圧縮後に残った債務について支払いを続けていけるだけの安定した収入があることが一つ条件になりますが、他にネックになる条件として「債権者の多くが反対しないこと」があります。

債務者が個人再生を行うことについて、反対する債権者が多い場合は小規模個人再生の利用ができないことがあるのです。

正確に言うと、全債権者の頭数のうち半数以上の反対がある場合、または総債権価額の二分の一以上の議決権を有する債権者の反対があると利用が不可能になります。

そのため高いハードルになると考える人が多いですが、これは事案によります。

裁判所に対する手続きの中で、手間を払って反対の意見表明をする手続きをしたとしても、他の債権者の多くが同じように反対しなければ、その手間は掛け損になります。

その上、個人再生に反対してもし自己破産をされてしまったら、回収できる債権はもっと小さくなってしまいます。

このような事情もあり、小規模個人再生に反対する業者はそう多くないとされています。

もっとも、絶対に多数債権者が反対しないとは言えませんので、債権者の反対により個人再生が否定される可能性があるということは覚えておく必要があります。

個人再生のうち給与所得者等再生は基本的に影響なし

個人再生のうち給与所得者等再生の方は、小規模個人再生のように債権者の反対が影響することはありません。

そのため基本的にはカード現金化による影響は受けないと考えて良いでしょう。

ただし、給与所得者等再生を利用するにはいくつかネックになる条件があります。

まず、債権者に最低でも弁済しなければならない「最低弁済額」が高くなることが多いということです。

ケースにもよりますが、「可処分所得の二年分以上」が最低弁済額に設定されるケースが多くなるので、お金に困っている現金化利用者がこの条件をクリアできるかという問題です。

可処分所得は収入から税金や社会保険料、最低限の生活費などを差し引いたものですが、二年分というのはかなり大きな額です。

事案によっては、最低弁済額の基準が「可処分所得の二年分以上」よりも低い価額に設定されることもありますが、いずれにしても最低弁済額を満たせなければ給与所得者等再生を利用することができません。

カード現金化が直接、給与所得者等再生の利用を不可能にするわけではなく、制度利用にかかる条件をみたせるかどうかが問題になるということですね。

自己破産は免責されない可能性が

任意整理も個人再生もできないような大きな債務を負った人を救う最後の手段が自己破産です。

とても頼りになるセーフティネットですが、クレジットカード現金化をしたことで自己破産もできなくなる可能性があります。

自己破産は原則すべての借金を帳消しにしてくれる強力な作用がありますが、反対に債権者からすれば債権回収ができなくなるという大きなダメージを負うものです。

そのため、ギャンブルや浪費など債務者の自己責任の度合いが強い事由(免責不許可事由といいます)がある場合は自己破産を認めないというルールになっています。

クレジットカードを現金化する行為も免責不許可事由にあたるため、自己破産を行うのは難しくなります。

ただ、自己破産には裁量免責というものが認められていて、裁判官の裁量によって特別に自己破産を認めてもらえる可能性はあります。

クレジットカード現金化をしてしまったとしても、回数も少なく悪質性があまりない、そして本人がしっかり反省しており今後はまじめに生活再建に取り組む姿勢が見られるようなケースでは、裁量免責によって自己破産を認めてもらえる可能性があります。

なお自己破産が認められるとしても、現金化を行っている場合「管財事件」の扱いになることが多いことも承知しておく必要があります。

通常、管財事件は自己破産をする人に財産がある場合に適用され、破産管財人が財産の有無や価額を調査して債権者に対する配当に充てるための事務を行います。

生活苦で自己破産を考える個人の場合、多くは財産が無いので管財事件ではなく、同時廃止という手続きを取ることが多いので、この場合は時間や費用はかかりません。

しかしカード現金化を行っている場合、本人の財産を詳しく調査する必要があると判断され管財事件扱いになることが多くなります。

そうすると、裁判所に対して数十万円の予納金を納めなければならなかったり、自分あての郵便物が管財人に転送されるなどいくつかのデメリットも生じてきます。

まとめ

本章ではクレジットカードの現金化を行ったことで、債務整理ができなくなる可能性について見てきました。

任意整理は債権者の心証悪化、個人再生は小規模個人再生を利用する場合の債権者の反対、自己破産は免責不許可事由などで直接的な影響が出ます。

個人再生の給与所得者等再生は直接の影響はありませんが、制度的な条件を満たせるかが問題になります。

クレジットカードの現金化は手元に現金を用意できる方法として便利ではあるものの、基本的には連続で利用したり、頻繁に行うことは避けなければいけません。

カード会社にバレないようにということもありますが、自らの生活を圧迫する恐れがあることが大きな理由です。

特に、すでに債務整理を考えなければいけないような事案では、カード現金化によって債務整理ができなくなる恐れもありますから、慎重な判断が求められます。

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